雪の中の岩木山神社 年末の青森の風景
冬の岩木山神社 年末の青森の風景 青森県弘前市百沢
均整のとれたその美しい山容から「津軽富士」の名でも親しまれる岩木山は、青森県の弘前市と鯵ヶ沢にまたがってそびえる標高1625メートルの山です。
独立峰であり周囲に視界を遮る他の高い山などもないので、周囲360度から見える山としても知られています。
津軽の人々にとっては、天気と雲の具合が良ければいつでも見ることのできる「身近な存在の山」であり、折に触れその存在を日常の暮らしの中に感じる「心の山」なのです。
この岩木山は、古くから山岳信仰の対象となってきた山で、「身近な山」というだけではなく「御神体」としても親しまれ、広く崇敬を集めてきました。
その岩木山の南東に鎮座するのが、まさに岩木山を御神体とする神社「岩木山神社」です。
津軽国一宮であり国幣小社であったという由緒ある神社で、780年(宝亀11年)、岩木山の山頂に祠を作ったのがその発祥と言われます。農業や漁業の守り神として、農民や漁師から津軽藩の藩主に至るまで広く信仰されてきました。楼門や中門、本殿、拝殿など今も残るこれらの建物は、いずれも歴代藩主の命で築かれたものです。
写真はそんな岩木山神社の年末の昼前の風景を写した一枚です。
夜でも大勢の人で賑わいを見せる「大晦日」から「新年」にかけての「一大喧騒」を前に、人もまばらでとても静かな参道と楼門の光景が印象的です。
歴史ある木造の美しい建物が立つ境内、ひっそりと静まり返った参道が「雪化粧」によってフラットに美しくなり、雪のない季節に感じる「重厚感」の代わりに「静謐」と「荘厳」と「美」が一度に同居している素敵な風景でした。