1月の兼六園の風景 冬の金沢 冬の石川の風景
ロウバイ(素心蝋梅)が咲く1月の兼六園 金沢 石川の風景
冬の花の一つとして知られる「ロウバイ(蝋梅)」は、江戸時代の初期ごろに中国から日本に伝わり、庭木としての他、盆栽や生花としても親しまれるようになったといわれる花木です。
皆さんの身の回りでも12月下旬辺りから2月頃にかけて、半透明の黄色をした、まさに蝋細工の花弁を思わせるような可愛らしい花をしたロウバイが咲いているのを見かけることも多いのではないでしょうか。
このロウバイ、漢字で書くと「蝋梅」とウメの字が用いられますが、ウメがバラ目バラ科サクラ属に分類されるのに対して、ロウバイはクスノキ目ロウバイ科ロウバイ属に分類される樹木で別種の木。とはいえ馥郁たる香りの良さと開花時期が被ることから、ウメと同じように親しまれてきた花木で、日本庭園などではウメの木と共に植えられているのを見かけることもよくあります。
特に園芸種である花全体が黄色の「素心蝋梅」は比較的よく見かけるのではないでしょうか。名の由来とされる(説の一つ)蜜蝋を想起させる少し艶のある黄色の可愛らしい花は、花が少ない冬場にあって特に目を惹きます。
見ようによっては飴細工かキャンディか何かのようで美味しそうにも見えますが、花の後になる実も含め、神経毒として知られる「カリカチン」などのアルカロイドを全株に含有しており、口にすると痙攣などの中毒症状が出るので要注意です。
話は少し脱線しましたが、サクラなどとはまた違った趣のあるこのロウバイ、他の花がまだ咲いていない寒い時期に咲くこともあり、雪との競演を楽しめる数少ない花の一つでもあります。
今日の写真は、まさに雪が降った1月の兼六園で見かけたロウバイ(素心蝋梅)を写した一枚。「華やか」というより「ゆかしい」という言葉がよく似合うロウバイが咲く光景は、とても品があって素敵な風景でした。