凍結した糠平湖 冬の北海道

冬の糠平湖 冬の北海道の風景冬の夕暮れの糠平湖 北海道の冬の風景 北海道上士幌町

北海道の中央やや東側、大雪山国立公園の東に位置する河東郡上士幌町は、数々の名曲を生み出している不世出の歌手・松山千春の出身地として知られる足寄町や本別町、新得町などと隣接している町。

その上士幌町にある「糠平湖(ぬかびらこ)は、1956年に十勝川水系の音更川(おとふけがわ)に築かれた発電用のダム「糠平ダム」が完成したことにより出来上がった人造の湖です。いわゆる「ダム湖」なのですが、湖岸をコンクリートで固められたいかにも「ダム湖」然としたダム湖も多い中、この「糠平湖」は人造湖とはいえども周囲を原生林に囲まれており、豊かな自然と素晴らしい景観で天然の湖とほぼ変わらないような美しい湖なのです。

湖にはサクラマス(ヤマメ)やワカサギ、アメマス、ニジマス(レインボートラウト)、オショロコマ、コイ、ウグイ、エゾウグイ、ブラウントラウト、ハナカジカ、エゾイワナといった様々な魚たちが生息、釣りのメッカとしても知られており、特に湖面が凍結する冬場にはワカサギ釣りが盛んです。

鉄道ファンや歴史的建造物好きには、鉄道遺産として知られる「タウシュベツ橋梁」のある場所としても有名。近年では湖の底から湧き上がってくるガスが湖面に上がってくる前に低温下のために水中で凍結してしまう現象「アイスバブル」の絶景が見られる場所としても知られます。

湖の西側には温泉が湧きだしており、源泉掛け流しの「ぬかびら源泉郷」として北海道の温泉好きに認知されているほか、キャンプ場やスキー場もすぐ近くにあり、温泉、キャンプ、森林浴、サイクリング、カヌー、釣り、登山などが楽しめる場所として人気を集めています。

写真はそんな糠平湖に、とても寒かった或る年の2月中旬に訪れた際に撮影した一枚です。

車を止めた場所から時には膝辺りまで埋もれながら1時間ほど林道を歩いたでしょうか、ようやくたどり着いた湖畔には美しい橋梁の残影が静かに横たわっていました。

湖岸から橋梁を撮影しながらふと脇を見ると何やら右前方の雪原あたりの地面が盛り上がっています。下までおりてそばまで近づいてみると、地面だと思った場所は凍結した湖でした。

湖水が凍結して体積が増えた分、その箇所が盛り上がって割れたのでしょう、「バキバキッ」という音が今にも聞こえてくるかのような迫力ある姿で、分厚い氷が不規則に割れて重なり合い、そこにあったのでした。

日が暮れた空は見る間に暗くなっていき、先ほどまで歩いてきた林道もあっという間に薄闇に包まれていきます。

冬の夕暮れの、どこまでも透明で怜悧で落ち着いた美しさは、そうして静かに消えていったのでした。

(編集部注:掲載写真は過去に撮影されたものです。2024年は暖冬の影響で危険個所が増えているため、2024年2月1日より湖への立ち入りは全面禁止となっています。ご注意ください。)

タウシュベツ川橋梁

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