仙道古墳 福岡の風景

仙道古墳 福岡の風景仙道古墳 福岡の風景 福岡県朝倉郡筑前町久光

主に古墳時代(3世紀から7世紀頃)に土や粘土を用いて、人や動物、道具類などをモチーフに作られた素焼きの土器「埴輪(はにわ)」。古墳の上や周囲に、埋葬された人物の守り神、供え物、魔除け、聖域を示す等の目的で配置されたといわれるもので、その数や大きさ、種類などで埋葬された人の権力の大きさ、社会的地位を示すものでもあります。

「埴輪」は作られた時代や地域によって、色々なデザインや形があり、各地で様々な埴輪が出土していますが、その中でも武器と盾を持った武人の形をした「盾持武人埴輪」と呼ばれる、まさに「守護神」的な埴輪があるのですが、その「盾持武人埴輪」が作られた時そのままと変わらぬ姿と推測されるほとんど完全な形で出土したのが福岡県にある「仙道古墳」です。

6世紀頃に造られたといわれる「仙道古墳」は、直径約49メートルの円墳で、周囲を見渡せる高台に築かれています。「盾持武人埴輪」のほか、数多くの「円筒埴輪」が出土、さらに内部の石室からは、数多くのガラスの小玉や管玉(くだたま)なども発見されました。(1978年5月6日には国指定史跡となっています。)一帯は「古墳公園」として整備され、埴輪のレプリカなども並べられています。

写真はそんな「仙道古墳」の冬の夕暮れ時の風景。各地に今も残る「古墳」の中にはその巨大さゆえか、近寄りがたい圧や神聖な雰囲気を感じる場所もありますが、こちらの「仙道古墳」は周囲をのんびりとした環境に囲まれているせいか、穏やかでとても優しい感じのする場所です。撮影の日の天候が、寒すぎず、風も強くなく、穏やかにゆっくりと日が暮れていくようなそんな日であったのも影響しているのかもしれません。

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