冬の中尊寺の風景 岩手の風景
雪の中尊寺 冬の岩手の風景 岩手県西磐井郡平泉町
訪れた日がたまたまそうだったのかもしれませんが、雪のない時期に比べて圧倒的に人の少ない奥州平泉の中尊寺は、素晴らしく静かな雰囲気に包まれていました。まさに「静謐」という言葉がふさわしい境内。少し待っているだけで、周囲には人が誰も居なくなってしまい、絵のような美しい光景を独り占めです。
初めてここを訪問して以来、新緑の季節や盛夏、秋など異なる季節に訪れる機会に恵まれましたが、これほどまでに静かで、そして美しい中尊寺を見たことはありません。
いえ、正確に言えば、いつの季節もそれぞれに美しい「中尊寺」を見ることはできましたが、これほどまでに静かでゆったりとした美しさを湛えた中尊寺を見るのは初めてでした。
それはこの場所が、歴史的な場所であると共に現在では人気の観光地であり世界遺産でもあることで、いつもは沢山の人がいるのが当然であるにも関わらず、この日は人がまばらであった、という理由もあるのかもしれません。しかし、それ以上にやはり、建物や木々が雪に覆われて「音」を吸い込んでいるという理由もある気がします。見た目の美しさに加えて、音が少ないことでただでさえ美しい境内が、すきっとした緊張感に包まれ、その美しさを何割も増している状態、そんな気がするのです。