秋の有明海の干潟 シチメンソウ(七面草) 佐賀の風景

秋の有明海の干潟 シチメンソウ 佐賀の風景秋の有明海の干潟 シチメンソウとサギ 佐賀の風景 佐賀県小城市

福岡、佐賀、熊本、長崎と4県に囲まれた、面積約1700平方キロメートルの湾である「有明海」。干満の差日本一で、全国の干潟面積の約40パーセントをしめるという広大な「干潟」があることでも知られています。有明海は別名「豊饒の海」とも呼ばれるほどに豊かな海なのですが、その理由は流入河川が多いわりに、閉鎖的な水域の為、栄養分が集まりやすいこと。筑後川をはじめ幾つもの川から流れ込む栄養分豊富な水が、内湾であるこの有明海に流れ込み、栄養分をたっぷりと含んだ海水と干潟の泥となって、様々な生き物たちをはぐくんでいるのです。

そんな有明海は、全国的に有名な海苔(有明海苔・佐賀海苔)の養殖や、ムツゴロウ、シタビラメ、エツ、ワラスボ、貝類などなど、人間に沢山の恵みをもたらしますが、それは有明海に住む生き物たちにとっても同じ。特に鳥たち、例えばハマシギ、ダイサギ、ミヤコドリ、ダイシャクシギ、クロツラヘラサギなどといった有明海で見られる鳥たちは、有明海の素晴らしい環境でのびのびとエサを探し、休息し、ひと時を過ごしています。

写真は有明海の秋のある日の風景。えさを探すサギと有明海の干潟を写した一枚です。干潟を彩っているのは、秋の有明海の干潟の光景を鮮やかな赤色に染めることで知られる「シチメンソウ(七面草)」。「シチメンソウ」は、同じく赤色が印象的な植物「ケイトウ」なども属している「ヒユ科」に分類される植物で、草丈20センチメートルから大きなものだと40センチメートルほどになる一年草です。世界でも稀少な「塩生植物」といわれる、海の水にも耐える植物で、絶滅危惧種にも指定されています。有明海の群生地では見ごろになると「干潟が一面赤く染まる、ちょっと不思議で特徴的な風景」となり、有明海の秋の風物詩になっているのです。

群生地の一つとして知られる東与賀海岸(東与賀海岸シチメンソウ群生地)(上の写真の場所から5キロメートルほど南東方向に位置します)では毎年「シチメンソウまつり」も開催されています。シチメンソウの見頃は年にもよって多少前後しますが、例年10月下旬から11月中旬頃までです。

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