冬の永平寺の風景 福井の風景
雪の永平寺 福井の冬の風景 福井県吉田郡永平寺町
福井県北部の地域を指す「嶺北地方」、昔から越前地方ともいわれる一帯は、古くから仏教の信仰が盛んな地域で、とりわけ浄土真宗を信仰する人が多い地域として知られます。
そんな越前の山の中にあるのが曹洞宗の大本山である永平寺です。京都に生まれ、幼い時に両親を亡くした曹洞宗の開祖「道元」は、比叡山で出家し、その後「宋(中国)」に渡って座禅の修行に励み、帰国後京都に「興聖寺」を開き座禅を広めます。しかし、大きな勢力を持っていた比叡山の圧力などにより福井へと本拠地を移し、1244年に山の中に新しく寺を開きました。それが現在の永平寺へとつながる「傘松峰大佛寺(さんしょうほうだいぶつじ)」と呼ばれるお寺でした。寺の名が現在の通り永平寺となったのは1246年のことです。
道元が1253年に54歳でこの世を去って以降は、愛弟子たちにより寺は守られたものの、次第に廃れ、廃寺に近いほどにまでなったこともあると伝えられますが、5世の義雲の時代に再興され、江戸時代には能登の総持寺と共に曹洞宗の大本山として寺勢を取り戻しています。
今日の写真は、そんな永平寺の冬の様子を写した一枚です。豪雪地帯として知られるこの地域では、冬になれば1メートル近い雪に埋もれることもありますが、(昭和38年の三八豪雪の際には2メートル以上の積雪があったと記録に残っています)、雪に包まれた凛とした雰囲気もとても美しい、厳かで歴史の重みを感じるお寺です。