鹿島神宮 御手洗池 茨城の風景

鹿島神宮 御手洗池 茨城の風景鹿島神宮 御手洗池 茨城の風景 茨城県鹿嶋市宮中2306-1

東京から車で約一時間半、茨城県鹿嶋市にある鹿島神宮は、香取神宮、息栖神社と共に「東国三社」に数えられる神社です。平安時代に編纂された「延喜式神名帳」には、「伊勢大神宮(伊勢神宮内宮)」、ならびに「香取神宮」と共に「神宮」と記された三社のうちの一社という由緒ある神社であり、地域の人々をはじめ、時代を超えて朝廷や藤原氏、江戸幕府などからも崇敬を集めてきたという古社です。創建は紀元前の神武天皇の御世といい、主祭神として武甕槌神(タケミカズチ)を祀っています。

境内はとにかく広大であり、見上げるほどの木々が茂り、神秘的な雰囲気に満ちています。その長い歴史や由緒も併せ、関東でも随一といわれるほどのパワースポットとしても知られています。

写真はそんな鹿島神宮の中でも特に気が良いとされる「御手洗池(みたらしいけ)」を写した一枚。

この場所に初めて立った瞬間のことは今でもありありと覚えています。前情報もなくふらりと立ち寄った鹿島神宮。その鳥居の立派さや境内の広さに驚き、600種を超えるという木々の豊かさ、建物の荘厳さに目を見張りながら、拝殿にて参拝を済ませ、なおもまっすぐ参道を歩いていると突然、目の前に池が現れたのです。

「突然」という表現はやや大仰にも聞こえるかも知れませんが、感覚的には本当に雷に打たれたかのように「突然」という感じでした。

それほどまでに清らかな水と神秘的な雰囲気に圧倒されたのです。

ただ「水が綺麗」「清らかな水」ということであれば、山の清水も綺麗ですし、各地の名水、湧水も清らかで純粋です。

しかし、この鹿島神宮の「御手洗池」のどこまでも透き通るような美しさ、清らかさは今までに見たどこの清水・湧水をも超越したものでした。まさに息を飲むようなものでした。

「綺麗!」と声に出して感激、感動するような雰囲気とはまた違う、奥ゆかしくも柔らかでくっきりとした存在感もあって、身体全体に沁み入ってくるような、身体全体が溶け込んでゆくような、重厚で多層的な清らかさ。透明なのに多層というのも少しおかしな話ですが、深みと透明感のある群青色の水は、そのように見えたのです。

あまりに圧倒されてしばらくは身動きできず写真を撮ることも忘れていました。ただそこに佇んで、細胞の中にまで流れ込んでくるような「透明」を感じていたのです。

後から聞くところによると、この「御手洗池」の湧水は1日に40万リットル湧き出しているとのこと。水深は1メートルほどで、かつては鹿島神宮に参拝する人々はまずこの池で身を清め「禊」をしてから参拝したのだそうです。今でも年の初めに200人ほどの人々が禊をしてから参拝するといいます。

ちなみに、「大人が入っても子供が入ってもその水深は乳を越えない」という「鹿島七不思議」の1つに数えられている不思議な話もあるそうです。

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