桑名城・蟠龍櫓 三重の風景
桑名城蟠龍櫓 三重の風景 三重県桑名市
「徳川四天王」の一人で、天下無双の勇将として名高い「本多忠勝」の城として知られる「桑名城」。往時には4重6階の天守が立ち、51の櫓と46の多門(多聞)が立ち並ぶ壮麗な城であったといわれるお城です。
幕末~明治維新の激動の時代に廃城になった後、1928年に城があった一帯が「桑名城址九華公園」として整備され現在は市民たちの憩いの場となっていますが、往時の建物はほとんど残されていません。そんな中で復元され、かつての雰囲気を今に伝える建物の一つが蟠龍櫓。「ばんりゅうやぐら」と読みます。水城として知られた「桑名城」は、木曽川、長良川と共に「木曾三川」の一つに数えられる揖斐川のほとりにあり、城の北側には東海道五十三次の海路の一部である「七里の渡し」がありました。蟠龍櫓はこの「七里の渡し」にめんして建てられていた櫓で、往来する船や人に目を光らせていたと同時に、東海道を行く旅人たちにとって桑名を象徴する建物でもありました。
現在建てられている蟠龍櫓は、国土交通省の水門統合管理所として建てられたもので、実際の桑名城にあった蟠龍櫓とは異なるものの、その外観が復元されており、立っている場所も蟠龍櫓があった場所の跡地です。1階は水門の管理所ですが、2階が展示室となっていて一般に公開されています。