浜離宮の紅葉風景 東京の秋の風景
日本の文化財保護法で定められている国指定の史跡や名勝。その中でも特に重要なものは「特別史跡」「特別名勝」といわれ、例えば「特別史跡」としては岩手の「中尊寺」や、東京の「江戸城跡」、兵庫の「姫路城跡」、奈良の「石舞台古墳」、広島の「厳島」など、63件が指定されており、特別名勝としては、宮城の「松島」や石川の「兼六園」、京都の「天橋立」、岡山の「岡山後楽園」、佐賀の「虹の松原」、沖縄の「識名園」など36件が指定されているのですが、その中でも全国に7件だけですが「特別史跡」と「特別名勝」に重複指定されているものがあるのです。日本の中でも特に重要な「芸術上または観賞上価値が高い土地」(名勝)でありなおかつ「貝塚、集落跡、城跡、古墳などの遺跡のうち歴史・学術上価値の高いもの」(史跡)ということです。わかりやすくいえば、「国内でも特に素晴らしい景観の土地であり、かつ歴史的にも重要な場所」ということです。「厳島」「平城京左京三条二坊宮跡庭園」「慈照寺(銀閣寺)庭園」「鹿苑寺(金閣寺)庭園」「醍醐寺三宝院庭園」「小石川後楽園」と共に、その「特別史跡」と「特別名勝」の重複指定を受けている7件の一つであるのが、東京の浜離宮庭園(旧浜離宮庭園)です。
江戸時代、現在の日比谷公園の場所に上屋敷を置いていた、3代将軍家光・三男の徳川綱重の「甲府藩」下屋敷の庭園として造り上げられたもので、かつての江戸湾(現・東京湾)の海の水を巧みに取り入れた汐入(潮入り)の回遊式築山泉水庭園が特徴。幕府の浜屋敷、浜御殿として、また明治維新後は離宮としての役割を担った後、東京都に下賜され都立公園として一般に開放されている庭園です。
写真はそんな浜離宮庭園の秋の午後の風景。風に吹かれて地面に敷き詰められた銀杏の葉に太陽の光が当たって、さながら黄金色に光り輝く絨毯のように美しい光景が広がっていました。